施設園芸の新たな熱源へ エネルギー作物ジャイアントミスカンサス(オギススキ)の栽培開始

株式会社農業開発(代表取締役:阿部 貴典)は、長野県中野市において栽培した燃料作物「ジャイアントミスカンサス(以下、GM)」をペレット加工し、バイオマス燃料としてボイラーに利用することで、自社ぶどうハウスの加温促成栽培に活用する取り組みを開始しました。

盛夏、生育期の青々としたオギススキ(1年目)

盛夏、生育期の青々としたオギススキ(1年目)

秋・冬の成株刈取期、黄金色の立ち枯れ

秋・冬の成株刈取期、黄金色の立ち枯れ

本事業は、施設園芸における重油使用量の削減を通じて温室効果ガス排出量の低減を図り、農業分野におけるカーボンニュートラルの実現を目指すものです。加えて、化石燃料価格の変動や供給不安といった将来的なエネルギーリスクに備え、年間を通した作物の安定生産と持続可能な農業経営の確立を目的としています。

ぶどう栽培における冬季加温は、単に生育を早めるためではなく、作業時期や収穫時期を分散させることで、繁忙期の集中を緩和し、安定した生産体制を維持することを目的としています。一方で、加温に必要な重油への依存は、燃料コストや供給面での不安定要因ともなっており、これが経営上の課題となっていました。

本取り組みでは、GMを原料としたバイオマス燃料を活用することで、冬季加温に必要なエネルギーを地域内で確保し、重油使用量の削減とエネルギーの安定確保を同時に実現することを目指しています。

本事業は、GMの栽培については農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)、またGMのペレット加工を含むエネルギーサプライチェーンの構築については大成建設株式会社※1の技術協力を得て進められています。技術的な知見を活かしながら、実用性と事業性を兼ね備えたモデルの構築を図っています。

GM(和名:オギススキ)は、日本在来の植物であるオギとススキが自然交雑して生まれた多年生植物で、以下の特長を有しています。

①3〜4メートル程度まで生長し、毎年冬期に収穫しても20年間程度同様に生長を繰り返すため、長期間に渡って安定した収穫が期待できる。

②施肥や病虫害防除、除草などの管理がほとんど不要で、手間をかけずに栽培できる。

③傾斜地や耕作放棄地でも栽培可能なため、地域の未利用農地等の有効活用につながる

当社は2025年3月に新会社「農開CN株式会社」を設立しました。将来的にGM栽培やペレット製造などカーボンニュートラル関連事業を専属で担います。

初期段階では、自社ぶどうハウスの加温用燃料としてGMペレットを活用し、重油使用量の削減および温室効果ガス排出削減効果の検証を進めるとともに、重油との比較による運用面・経済面での検証を行います。これにより、燃料価格の変動に左右されにくい経営体制を構築し、年間を通したぶどうの安定生産につなげていきます。将来的には、GMの栽培から燃料化、利用までを地域内で完結させることで、「地域で生産したエネルギーを地域で消費する」エネルギー循環モデルの確立を目指します。GMペレットの製造・販売を通じて、農業分野にとどまらず地域全体でのバイオマスエネルギー利用促進を目指します。

人口減少や高齢化に伴い耕作放棄地の増加などが課題となる中、地域行政の皆様とも課題を共有し、農地の再生、エネルギーの地産地消、重油削減による脱炭素を同時に実現することを目指す取り組みです。本事業では、農業における燃料使用を見直し、二酸化炭素排出量の削減に取り組みながら、その実践例を中野市から全国へと展開していくことを目指しています。

※1 事業URL: https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2024/240315_9945.html

展望【地産地消エネルギーサプライチェーン】

 

 

投稿者プロフィール

服部

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